無人の小さな事業を同時に何本も作る実験を始める:予算・やらないこと・測り方
このサイトでは、人がほとんど手を動かさずに回る小さな事業を、同時にいくつも試していく過程をそのまま記録していく。うまくいった話だけを後から並べ替えて見せるのではなく、始める前に決めたルールと、途中でやめたものも含めて出していくつもりだ。
最初に断っておきたい。これは「これをやれば稼げる」という話ではない。実際にいくら入って、いくら出たかは、まだ何も動かしていない段階では書きようがない。この先の記事で数字を出すときも、まだ測っていない欄は埋めずに「未計測」と書く。埋まっていない欄があるのは、サボっているのではなく、まだ測っていないだけだ。
なぜ「実験」と呼んでいるか
副業やビジネスと呼ばずに、あえて実験と呼んでいる。理由は、始める前の時点でうまくいくかどうかが分かっていないことを、自分にも読んでいる人にもごまかしたくないからだ。ビジネスと呼んだ瞬間、なんとなく成功が前提のように聞こえてしまう。実験なら、失敗しても記録として成立する。むしろ失敗した実験のほうが、次に何を変えるべきかがはっきり分かる分、価値がある場合もある。
このサイトで扱う実験は、どれも「人がずっと張り付いていなくても回る形」を条件にしている。毎日決まった時間に手作業が必要なものは対象にしない。手をかけるのは、仕組みを作る最初の段階と、週に一度の見直しのときだけ、というのが目安だ。
上限を先に決める
一番最初にやったのは、金額そのものの話ではなく「使っていい上限」を先に紙に書くことだった。金額は伏せるが、大事なのは数字の大小ではない。上限を決めた時点で、その月の判断がほぼ終わっている、という点が大事だ。上限を超えそうになったら、新しいことを始めない。ルールはこれだけにしている。
上限を決めずに始めると、目の前の一つがうまくいきそうに見えた瞬間、他のところから予算を引っ張ってきてしまう。それをやると、結局どの実験が効いていたのか、後から分からなくなる。予算を途中で動かすと、比べるための前提そのものが崩れるからだ。
やらないと決めたことを先に書き出す
始める前に、やらないことのリストを作った。理由は単純で、途中で「これは儲かりそうだからやってしまおう」という誘惑に負けないようにするためだ。
具体的な線引きはこうしている。
- 規約で明確に禁止されている手段は使わない。グレーだからやる、という判断はしない
- 健康・医療・金融の効果を約束するような書き方はしない
- 収益の約束や、誇張した見せ方はしない
- 個人を特定できる形で発信しない
- 複数のアカウントで同じ内容を使い回す、架空の人物を装う、といったことはしない
このリストは一度作って終わりではなく、新しい実験を始めるたびに見直している。増えることはあっても、緩めることはない、と決めている。
同時に走らせる本数を絞る
同時にいくつも試す、と聞くと、手を広げるだけ広げているように見えるかもしれない。実際はその逆で、本気で手をかけるものは同時に数本までに絞っている。それ以外は、すでにできている流れに乗せるだけにして、新しく考える時間はかけない。
理由は、新しいものを立ち上げる作業自体に時間がかかるからだ。仕組みが軌道に乗るまでは手がかかり、乗ったあとは手を離せる。手のかかる段階のものを同時に何本も抱えると、結局どれも中途半端になる。数を追うより、今どれに手をかけているかを自分で把握できる本数に絞ることを優先した。
たとえば、記事を出す仕組みと、道具を売る仕組みと、値動きを記録する仕組みを同時に立ち上げようとしたことがある。どれも初日から気になって、結局どれも詰め切れないまま一週間が過ぎた。そこから、新しく手をかけるのは一度に絞った本数までと決め、残りは「動いている仕組みに乗せるだけ」の状態になるまで着手を待つようにした。待っている間にやることがなくて手持ち無沙汰になる、ということは今のところない。すでに動いているものの数字を見るだけでも、思ったより時間がかかる。
最初の一週間にやったこと
具体的に何から手をつけたか、順番だけ書いておく。まず、使っていい上限とやらないことのリストを紙に書いた。次に、警告やアカウント停止の連絡が来たときに気づけるよう、普段使わない専用の受信箱を一つ作った。それから、どの実験から始めるかを決め、必要な口座やアカウントの用意に取りかかった。記事を書き始めたのは、その後だ。
見た目には地味な作業ばかりだが、ここを飛ばして先に記事や商品から作り始めると、あとから「この仕組み、そもそも規約的に大丈夫なんだっけ」と戻って確認する羽目になる。戻って確認する回数が増えるほど、実験全体のスピードは落ちる。
測り方とやめる基準
一番迷ったのが、いつ「これはもうやめよう」と判断するかだった。感覚で判断すると、思い入れのあるものほど長引かせてしまう。なので、始める前に「何を、どれだけの期間見て、どの数字がどうなったら止めるか」を先に決めることにした。
たとえば、人を集める形の実験なら、数週間単位で見て、訪問や登録が増えていなければ止める。広告を使う形の実験なら、もっと短い間隔で見て、使った額に対して発生した成果が一定の比率を下回ったら止める。この「一定の比率」も実験ごとに事前に数字を決めておき、走らせ始めてから甘くしない。
止めると決めた実験は、記事の中で「やめた」とはっきり書くつもりでいる。うまくいった話だけを積み上げていくと、読んでいる側は再現できない話を信じることになる。やめた理由まで含めて出すほうが、あとから自分で読み返したときにも役に立つ。
週に一度、数字を並べて見る
毎日追いかけると細かい上下に振り回されるので、数字を見るのは週に一度と決めている。その週にどれだけ動いたか、上限に対してどれだけ使ったか、止める基準に近づいているものはないか。この3つを並べて、次の一週間で何を優先するかを決める。
このサイト自体もその対象の一つで、記事からの反応が伸びなければ、更新の仕方を変えるか、別の入口を試すかを判断する。次の記事では、無人で自動化する仕組みを作るときに、規約を踏まないためにどんな確認をしているかを書く。