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規約を踏まずに自動化するための公開前チェックの作り方(一般論)

前回の記事で、小さな仕組みを同時にいくつも動かす実験を始める、という話を書いた。ここで一番気を使っているのは、実は稼げるかどうかより「規約を踏んで、積み上げてきたものごと消えないか」のほうだ。無人で回る仕組みは、公開する前に確認しておかないと、公開した瞬間に止められて終わる。今日はその確認の手順を、特定のサービス名を出さずに一般論としてまとめる。

なぜ「あとで確認」ではだめなのか

自動化の仕組みを作るとき、動くかどうかを先に確認して、規約は後回しにしたくなる。気持ちはわかるが、これをやるとたいてい、動くものができあがった後に「実はこの使い方は禁止されていた」と気づく。そうなると、作り直すか、諦めるかの二択になる。時間の無駄が一番大きいのはここだ。

なので、手を動かす前に確認する順番を決めている。ここでいう「自動化」は、記事や投稿を機械的に作って出す仕組み、公開データを定期的に取り込んで並べる仕組み、値動きに合わせて注文を出す仕組みなど、人が毎回ボタンを押さなくても動く仕組み全般を指している。何を自動化するにしても、確認する順番は変わらない。

1. 使っていいかどうかを一次情報で確認する

まず見るのは、そのサービスの利用規約やAPIの利用ガイドの原文だ。まとめサイトや誰かの発信に「これは大丈夫らしい」と書いてあっても、それを鵜呑みにしない。理由は単純で、規約は変わるし、書いた人の解釈が間違っていることもあるからだ。

確認する項目はだいたい決まっている。

書かれていない場合は「たぶん大丈夫」で進めず、問い合わせて確認するか、確認が取れるまでは慎重な使い方に留める。規約の欄が空白なのを「禁止されていない」と読み替えるのは、一番やりがちな失敗だと思っている。

確認した内容は、その場で読んで終わりにせず、いつ・どの条文を・どう読んだかを記録に残すようにしている。理由は二つある。一つは、規約は時々変わるので、前回確認した時点との差分に気づけるようにするため。もう一つは、あとで判断に迷ったときに、以前どう判断したかを自分で参照できるようにするためだ。記録を残さずに毎回感覚で判断すると、同じサービスに対して時期によって違う基準を当ててしまうことがある。

2. 表示義務を仕組みに組み込む

紹介リンクを使うならPR表記、AIが作った文章や画像を使うなら生成物である旨の表示。これは書き忘れる前提で、最初から仕組みの中に組み込んでおく。記事を書くたびに「表記を入れたか」を人間が確認するのではなく、公開する処理の中に表記を入れる工程を組み込んで、抜けたら公開できないようにする。

人が確認する運用は、いつか必ず抜ける。抜けた一回のために、それまで積み上げたアカウントごと止められるのは割に合わない。

3. 似たような内容を使い回していないか照合する

同じ内容を複数の場所やアカウントに使い回すのは、たいていのプラットフォームで嫌われる。かといって、毎回一から書くのも無人化の意味がなくなる。なので、出す前に「直近に出したものとどれくらい似ているか」を機械的に照合する工程を挟んでいる。似すぎていたら、出す前に止めて書き直す。

これは単に「怒られたくないから」だけの話ではない。同じ内容を並べているだけの場所は、読んでいる側にとっても価値が薄い。似ているかどうかの照合は、規約対策であると同時に、中身が薄くなっていないかを自分で確かめる手段にもなっている。

4. 警告が来たときの受け口を先に作る

規約違反の警告やアカウント停止の連絡は、普段見ていない受信箱に届くことが多い。見落として対応が遅れると、警告だけで済んだはずのものが停止にまで進んでしまう。なので、警告に関係しそうな言葉が届いたら気づけるように、専用の受け口を作ってから仕組みを動かし始めている。

一人で全部の仕組みを見ることになるので、通知が来ても気づくまでに時間がかかる場面は出てくるはずだ。だからこそ、通知が来る場所を一箇所にまとめておくことが重要だと考えている。あちこちのサービスの通知設定がばらばらだと、どこかを見落とす確率が上がる。

5. 止める基準を仕組みの外に置かない

最後に、何かあったときに「どこまでいったら手動で止めるか」を、感覚ではなく事前に決めた基準として持っておく。基準がないと、警告が来ても「様子を見よう」と先延ばしにしてしまう。先延ばしにした分だけ、被害は大きくなる。止める基準は、仕組みを作る前に決める。動かし始めてから決めようとすると、たいてい判断が遅れる。

一般論であることの限界

ここに書いたのはあくまで一般的な手順で、個別のサービスの規約がどうなっているかは、そのサービスごとに自分で確認するしかない。この記事を読んで「じゃあこのサービスもこの通りでいいはずだ」と当てはめないでほしい。確認する手順を型にすることはできても、確認そのものを誰かに肩代わりしてもらうことはできない。

正直、この確認作業は地味で、思いついた仕組みをすぐ試したい気持ちとは相性が悪い。それでも、公開してから止められて全部やり直すよりは、公開する前の数時間を確認に使うほうがずっと安い。仕組みを思いついて興奮しているときほど、この順番を飛ばしたくなるので、あえて手順として固定している。

次の記事では、この一連の確認の中でも特に時間をかけて考えた、値動きに合わせて自動で注文を出す仕組みを試すときの話を書く。実際にお金を動かす前に、紙の上でどれくらいの期間、何を測ったかという話だ。

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